福島第一原発の視察

はじめに

般社団法人AFWが取りまとめの「福島第一原発の今を一緒に見にいきませんか」に参加しました。 福島県会津若松市に12年も住み、震災時も会津若松市に住んでいる身としては無視出来ない原発での事故。 福島が不幸であって欲しいと願う人々と戦う日々(と思っている)を続けて8年、とうとう現地に行く機会を得ました。


資料館

いわき駅から北に40分の富岡駅近くの東京電力廃炉資料館に午前10時集合。

東京電力廃炉資料館 東京電力廃炉資料館 渡された資料 渡された資料

資料館の展示などで事故当時の状況や廃炉の説明を受けた。 ほとんどが知っている内容でしたので展示方法に興味が移ってしまいました。 写真撮影禁止と書いてあったので言葉で説明するしかないので想像してください。

  • アクリル板の下のiPadをタッチで操作出来るのは特殊なアクリル板?
  • 説明用のパネルがタッチパネルで正面のビデオと天井から模型を照らして変化を付けるのカッコいい。 アナログとデジタルの融合。
  • デブリへの接触実験など説明分や展示が最新情報に更新されてて好感触。 受託した会社が良いのか、そういう契約をした東京電力が良いのか?

燃料プールからの燃料の取り出し

  • 4号機は2014年に取り出しを完了
  • 3号機は取り出し用のクレーンを設置済み
  • 2号機は瓦礫の撤去が終わってクレーンを入れ替え中
  • 1号機は未だ瓦礫の撤去中

放射能に汚染された水の対策

汚染水の量は牡蠣で当初の1/4に低減出来た。

  1. 高台での地下水汲み上げ
  2. 建物近傍での地下水汲み上げ
  3. 凍土方式での遮断碧設置
  4. 雨水の浸透を抑える舗装

作業環境の改善

2月の作業人数は1日平均4,400人で地元雇用率は約60%。 除染と地表をアスファルトなどで固める事で96%は一般的な作業服で作業出来る様になった。 また大型の休憩所が出来て暖かい食事を提供出来る様になった。

溶け落ちた燃料の取り出し

ロボットによる観察や堆積物への接触調査が出来たが今後30~40年続くと思われる。

福島第一原発

いよいよ福島第一原発に向けて出発。
福島県内からの中間貯蔵施設への持ち込みは毎日ダンプ3,000台にも及ぶので専用道路の整備も含めて作業が進んでいる。 また国道6号から曲がる全ての道にバリケードと7割ぐらいに人がいる。 IoTなどで無人化出来ないかと考えたが特別な人は通行可能など止めるだけではないようなので難しそう。

原発に到着して最初にした事は本当に普通の社員食堂で昼食。 報道で知っていましたが、普通に食事が出来るようになってるのに感無量でした。

  • 原子炉建屋は思ったより小さい。
  • 防護服を来なくても良い場所で作業されている方はビニールの様な埃の付きにくい服で作業している。
  • 分かっていたけど津波の力は物凄い。
  • 1~4号機は地震に強くする為に海抜10mまで掘り下げて津波を受けた。
    でも海抜13mにあった5,6号機も津波で非常用ディーゼルが水没したので多少だと変わらなかったのかも。

敷地内には1,000本のさくらの木があったのが汚染水タンクを置く場所を確保する為と除染の為に600本は伐採したそうです。 その木など可燃物を小さくする為に焼却炉を建設中。

事故直度に汚染水を貯める為に納期が早い組み立て式のタンクは信頼性の高い溶接タンクに殆どが置き換わっていた。 使用済みの組み立て式タンクは一時保管する建屋に置かれ、何個かに切り分けられる。 放射線に汚染られた内側の表面をブラスト処理で削り取って汚染量が少ない大部分の鉄は再利用される予定だそうです。

一事が万事この調子で、何かする為には準備の設備が必要、保管にも場所が必要、終わったら廃棄の為の設備が必要で敷地内だけで4,400人も働く物凄い巨大なプロジェクト。 平日、4,400人が働いている状況も見てみたい。

最大で100mSv/hぐらいの場所も通ったけど各自付けた線量計で測された被曝線量は累積0.01mSvで先々週受けたバリウムを飲んでのX線撮影による被曝3.5mSvのわずか1/35でしかない。 歯のX線検査と変わらない。

感想

もっと多くの人に見てもらいたいと思ったけど福島原発の視察は一般には受け付けていなくて、地元や廃炉に関わる企業やNOP、学生を優先している。 廃炉作業に影響しないようにするには週末だけだろうから受け入れられる数も限られているのが残念です。

報道などで事実と知っている事も大事だけと、車内からでも実際に見ると色々と感じる事、思う事、考える事がある。 また機会があったら来たい。

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